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いま、教育において何が問題で​何が必要なのか?​

今、教育においては問題が多くあります。
それは一言で言えば「教育を行う社会的資源や資本の流失と劣化」です。​

例としては次のようなものが挙げられます。

 ・経済格差の拡大と家庭環境の悪化
 ​​(保護者の経済力や文化資本が子供自身の学力を再生産してしまう)
 ・教員の離職増加による学校や塾の疲弊と質の低下​
 ・不登校・ひきこもりの増加​
 ・児童・生徒間の学力格差の拡大と二極化
 ・生徒本人の意欲・能力の低下​

これらの結果として特に公立校において顕著ですが学力が高い生徒は半ば放置され、一方で学力が低い生徒はついて行くことができない状況が生まれています。かくして中学受験など私立受験が過熱化しているわけですが、こちらはこちらで文化的乱獲(≒やりすぎ教育、受験の過熱とそれに伴う燃え尽き症候群)が起きているのではないかと考えられます。そして各レベルでそれぞれ必要な教育を受けることができず、また解決を試みようとしても昨今の財政難の情況では身動きが取れず解決の糸口すら見えない状況です。​​


​それではどうするのか?

この拘束的状況を打開するヒントを紹介したいと思います。それは砂漠の緑地化の事例です。

たとえば砂漠を緑地化させる方法のひとつにデミルーンと呼ばれるものがあります。​
これは半円状の小さな穴(ミニ堤防)を魚鱗状に配置するものです。​​

(デミルーンの例。半円状の小さなダムとも言える。)

こうした小さな穴により水分や栄養をある程度は保持ができ、​​局所的に草木が生育できるようになると言います。​ ​​
​そして、それらが無数に配置されることでやがてはつながり一つのエコシステムとして再生し、緑地化されていくそうです。

デミルーン(半円堤防)によりさばく

実際にこの手法はアフリカのタンザニアなどで​一定の成果を挙げています。
(画像引用:Lead Foundation http://leadfoundation.org/ ,JUSTDIGGIT https://justdiggit.org/)​​

さて教育に課題があるとすれば、教育に関わる社会資源や文化資本が流出、劣化することが影響していることは疑いようがありません。
そして、こうした構造は比喩に留まらず砂漠化のメカニズムと通じるものがあるのであれば、前述の諸問題を解決するためには砂漠の緑地化と同じアプローチが有効と考えられます。

​もちろん、現実に小さな穴を掘るわけではありません。

ここで言う小さな穴とは、受け手にとっては参加しやすく、送り手にとっては消耗しない省コストのモデルケースを作り、それをネットワーク化することだと考えたのです。​またこれは既存の方法では解決が難しい8050問題や就職氷河期世代やシングルマザーなどの経済対策や​少子高齢化社会を維持・発展させる一助にもなり得るものであると考えています。​

これまでの教育支援モデルとこれからの教育支援モデル。

政府や行政の援助の対象が企業中心となると終身雇用制度が崩壊した情況では何重もの中抜きを生みやすい。そして、一端この流れから外れると社会復帰が困難になる。そのため政府や行政の支援を企業中心から送り手個人に援助が行き届くようにシフトする

具体的には・・

一例を挙げましょう。

たとえばコード・オーグ(Code.org)などは小学生がプログラミングを学ぶには必要十分な質と量の課題が揃えられています。実はこの教材は非営利であれば無料で使用できるものです。詳細に言えば、教材そのものに料金を請求することは禁じられていますがスタッフの報酬や家賃など設備維持費として料金を請求することは何ら問題はないとのことです(運営元に確認済み)。

code.org利用例
code.org利用例

そもそも「持続的な教育の普及」という観点ではこうしたことは当然なのですが、日本では非営利の事業でも無報酬、または低額でなければならない、という呪縛と誤解が根根強く残っていることは大きな問題でもあります。​

そして今、こうした無料の優れた教材はコード・オーグに留まらず昨今は豊富にあり、その種類も増え続けています。​
これらの教材をベースに「持続可能な教育の場を増やし、ネットワーク化していくこと」が、教育のみならず雇用や生活を含めた社会課題の解決につながると考えられています。

まとめ

以上のように上記の教育問題に関する解決案として以下の事柄を当面の目標としています。

 ・1つ1つは簡易な学びの場を作り、それをネットワーク化すること。​
 ・そのために、まずは点となるモデルケースの事例を蓄積すること。​

非営利の講座はこうした観点に立脚してのアクションとなっています。
皆様のご理解とご協力をお願いいたします。

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