「なんちゃってプログラミング教室」にご注意を、という話

みなさん、こんにちは。さいたま市のプログラミング教室ツクリウムです。
さて最近はChatGPTやperplexityなどのAIがものすごいスピードで発展していますね。
その結果、子どもたちが未来を探索し、想像力を解き放つ場として、プログラミングは非常に有効な教育ツールとしての位置付けがますます高まっています。しかし、一方で「なんちゃってプログラミング教室」という問題について、ご存知でしょうか?
これらの「なんちゃってプログラミング教室」では、具体名は伏せますがいくつかありたいていは見栄えのよい高額な教材を用いて、プログラミングに触れる体験を提供しています。しかし、これらの教室は実は多くの課題を抱えているのです。そして以下のような問題の結果、クラフトやプログラミングそのものが嫌いになり、挫折してしまう子どもたちが多くいるのです。
「なんちゃってプログラミング教室」の問題1=何を学ぶのかの中心が見えない。そして中心となるはずのプログラミングスキルが伸び悩む
これらの教室では、実際にスキルが向上するのではなく、あくまで「触れること」が目的となってしまいがちです。
結果として真剣なプログラミングのスキル向上が見られません。
教室ごとに設けられた時間数やカリキュラムは様々ですが、たいていそれは月に2回~4回、時間にすれば月に5時間~8時間にすぎません。また生徒や保護者の目的や熱量は様々です。その限られた時間と制約の中でアレもコレもと入れてしまえば、全てが中途半端になり、何も生み出さないのです。
プログラミング一つを取っても、それだけ限定された時間内ではできることは限られているのです。そのようなことから他校から転入される生徒さんも少なくはありません。ですが、そうした入会時に現状のスキルを確認すると、そうした教室で数年以上も通っていても「1から10まで数える」というごくごく初歩的なプログラムすれ自分では作れないという事例が多いのです。ですから見栄えがよい教材ほど生徒が受け身になり、自ら学ぶ力をかえって削いでしまう現実があるのです。プログラミングスキルですらそうなのですから他で謳われていることがらについては言わずもがなです。
「なんちゃってプログラミング教室」の問題2=非認知能力、メタ認知能力など成長が測定できないものをカリキュラムの中心にすえていて、何年も通っても効果が見えない。
いわゆるスコアには現れない非認知能力やメタ認知能力は重要な能力の一つであることは言うまでもありません。
しかし、同時にこうした能力は極めてあいまいで測定することが難しいのです。そして口では非認知能力やメタ認知能力を育てていると耳障りの良い説明をされてしまうために、本質的な成長がないまま通ってしまうという問題があるのです。また、保護者も子供に何をどう指導や声掛けをしていいのかもわからないことが多いのです。一方で教材そのものは高価のため見栄えはよいのですから、なんとなくやった気になるだけの浪費につながりやすいのです。
「なんちゃってプログラミング教室」問題3=発達段階に見合わない時期に行われる共同学習や発信のトレーニング
まだ小学生の間はコミュニケーション能力は未熟です。大人のように様々な人とそれなりにコミュニケーションを取りつつ、何か共同作業を行うことはできないのが普通です。それは時間をかけて小中高で継続的に行われるべき課題で、同時にそれぞれの発達段階や性差を考慮する必要があるのです。
しかし、前述のなんちゃってプログラミング教室ではその教室に入ればほぼ強制的に共同ワークや発信のトレーニングをさせてしまうのです。もちろん適応できる生徒もいますが、現実は多くの子供がそこからこぼれて落ちていきます。その結果、形式的なものにとどまり、目的としたコミュニケーション能力やプレゼンテーション能力が思ったようには育たないのです。何より、そうした中途半端なワークに時間が取られて、肝心のプログラミングのスキルアップにもつながらないケースが多々あるのです。
むしろ、そうしたコミュニケーション能力や発信能力を育てるには形式的な量よりも「深さ」や「その個人の気づき」が大切なのですが、どうも見過ごされているのが現実のようです。
子どもたちの未来を豊かにする選択を
もちろん、そうした教室にも良い点はたくさんあるでしょうし、それを子供や保護者が望んだものであることもあります。
しかし、最後にある生徒(A君)のお話をしたいと思います。その子は当教室に来るまでは前述の「なんちゃってプログラミング教室」に通っていて挫折寸前でそこをやめて来たのです。
確かに当初のA君は幼さや甘さが多分にあり、遊び半分の態度で決して模範的な生徒とは言えませんでした。しかし、A君は当教室で学ぶことで徐々に変わっていったのです。そして、久しぶりに私が彼の授業を担当したときにその大きな変化に気づいたのです。コードを見れば、まだ乱雑で粗削りではありましたが、自分になりに考えてプログラムを作っていたことに――。何より一番大きかったことは、
「自分から進んで学ぼうとする姿勢」
が芽生えつつあったことでした。
これは担当講師の授業が良かったという面もあるのですが、客観的に見れば、彼が学んだことはごくごく普通の小学生向けカリキュラムでした。そして何より本人や保護者の取り組みが真剣だったのだと思います。その一方で逆に言えば、それほどまでに今まで彼が学んできた「なんちゃってプログラミング教室」のカリキュラムがいい加減なものであったということなのです。
そして、それからも彼は学びを深め、今ではスクラッチは卒業し、Pythonに学びを進めています。そして情報オリンピックの予選を通過するまでに成長しています。やはり、今こうした事例が多くあることをまず皆様に知っていただきたいところです。皆様にはプログラミング教室を選ぶ際は(当教室でなくても構いませんので)ぜひ子供たちの未来につながる選択をしていただければと思います。
それではまた次回にお会いしましょう。

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